其之二百四十四「"無型"の"型"」



 
ゆんゆんは足技多くて好きです。ラヴです。蹴りの風圧で道場の壁、思いっ切り壊れまくっています。連続蹴りのとこは、春麗の百裂脚みたい…とか思ったり。そして容赦ない踵落とし…! ラヴ!!
 いやまあ、ホラ今は右足だけで闘うってところですけどね? だから足技多くて当然ですから。何忘れてるの私…!
 でも、ゆんゆんって刀持ってないから体術系だよなあ。必殺技って何があるのだろうか? 心眼じゃなくてえ!
 幸村さんが庵里さんから授かったのは鶺鴒眼。庵曽新は刀匠兼針師のとーちゃんから針攻撃っつーかなんつーか。あとの姉弟は丸腰。いくら家に居てくつろぎタイムだったかも知れないからって侍の子が!(何)
 一家揃っての得意系統はないのだろうか? かあちゃんは刀持っていますね。庵曽新回想内で。
 はっ?! そうかアレね! きっと、とうちゃんとかあちゃんの出会いは、とうちゃんが居る鍛冶工房にかあちゃんが訪ねて来たのですよ。刀修理で。そいで、鼻歌歌っててご機嫌に工房から飛び出したとうちゃん。ぼろぼろにしてしまった刀の鞘を抱き締め、暗い顔で周りの見えていないかあちゃん。工房の入り口でぶつかってすっころぶ二人。そして互いに罵り合う二人…。
 じゃなくて。
 互いに謝りつつ、かあちゃんが落とした刀を拾うとうちゃん。ときめき合う二人!KYOに似付かわしくないラヴい展開! もしくは、ありがちに、注文した刀を工房に取りに行くかあちゃんは、約束の時間に遅れそうという事で「遅刻、遅刻〜」とか言って将来太四老候補として修業積んだ脚で駆けている。それはもう、猛スピードで。一方、刀匠と呼ばれる漢になるために修業中のとうちゃんは、師匠からどやされて意気消沈。気分転換に外に出てみれば、何か駆けてくる。驚いてる間に、急停止出来なかったかあちゃんとぶつかり、吹き飛ばされるとうちゃん。見事なまでの体当たりに「いいタックルだ…!」とか心中思いながら、無駄に辺りをキラめかせてみたり。あんましダメージのないかあちゃんは、自分の事は棚に上げ「どこ見て歩いてんのよ!」と怒鳴る。聞こえてやしないとうちゃんは工房の中で壁にブチ当たって気絶しそうになりながら「ホ、ホレた…ぜ」とか思っ(
以下強制終了)。
 
そうかそうか! そういう出会いなのね! 納得。(ゆんゆんの技や一家の得意系統の話じゃなかったの?)


 
ところで、ゆんゆん、踵落とし攻撃の所為で盛大に道場壊してます。「あーあ…畳壊しちまったぜ。新しくしたばっかりなのによ…」って言ってるけど、畳どころじゃないから! 道場の隅上の方なんてヒビ入ってるから! きっと畳だけじゃなくて、今まで何度も仏像も壊れた事でしょう。その度に修理してたら大赤字ですよね? 庵奈の雷落ちませんか? それとも、仏像は壊した人が自力で彫刻してるとか…? 修復出来る時はして、出来なきゃミノとトンカチ持って。貧乏だから職人には頼めないのです。でも、力に重きを置く壬生一族として、神聖な道場はいつも綺麗にしておかねばならぬのです。何といっても、次男は壬生を纏める太四老が一員。きっと神聖な道場はステイタスのひとつ(なわけあるか)。


 一段落したゆんゆんの攻撃に、もう大分ズタボロなほたるちゃん(最愛やっと名前が出せたよ! ←ヲイ)。
 ボタボタ血を流しながら、ハアハアと荒い息を付きつつ、ブツブツ何事か言っています。
 太四老としての力を見せつけたゆんゆんは、余裕で話し掛けてます。壬生についていれば、「強者のみが見ることを許された世界を拝めただろうに…」と。そしてしつこくほたるちゃんを「ケイコク」と呼ぶゆんゆんに、ほたるちゃんは「ほたるだってば」と律義に訂正。そんな世界に興味はないと言いつつ攻撃するも、あっさりかわされます。
 ああ、あの長ったらしい赤ハチマキ(?)を傷付ける事すらかなわないなんて!
 激しい攻防繰り返す二人を、高い所から一人観察している人が居ます。今現れた風なのに、何で「あの微笑み」を知っているのかしら?
 心配性な辰伶お兄ちゃんを真里庵が発見。あっちゅーまに五つ子に絡まれてしまいます。お兄ちゃんが、「…どんなツラでまたオレの前に現れるか楽しみだな」とかゆって紅虎ちゃんと一緒にアキラちゃんを追い掛けた筈のお兄ちゃんが! 
アンタから現れてどうするの! なにやってんのお兄ちゃん?! と思ったら、敵情視察なの?
 ケイコクの秘密だそうですが、辰伶が考えているのは、ちゃんがあんまり喜びそうにない類いの秘密の模様。
 この異母兄弟は、お互いにライバルですものね。好敵手! ←こう書いたら、ぜってー認めなさそうだけど二人とも!
 お互いに負けたくないから、決して負けたくないから、常に相手より上へ。
 抜かれたら、必ず抜き返してやる。相手の強さを認めつつも、認めたくない。
 相手が強くなっていれば、悔しいのに、嬉しい。
 自分はその上を行くだけだからー…。
 そんな事の繰り返し。
 今までも。これからも。
 院晶が勝手に兄弟パワーに思いを馳せておりますれば、信じ難い光景が展開され始めました。ゆんゆんの回想によって!

 出た。
 出ましたよっ!!!
 仔ふぉたぁあああああっ!!!
(↑院晶さん渾身の叫び。叫ぶノドの毛細血管がブチ切れる勢いで)
 仔ほたですよ仔ほた!!! 可愛い可愛いあーもー可愛いなー
v
 お子様好きとしては、もう堪りません! ありがとうゆんゆん!
 ギロッとか睨んでいる顔も、ちーぃちゃな身体でゆんゆんに挑む姿もかーわええのう。
 とっておきである炎は簡単に使うなと仔ほたに教えるゆんゆん。炎が効かない相手もいるだろうからと、基本からみっちり戦闘訓練を施していたようですね。
 めっちゃ師匠してんじゃん。だから師匠冥利につきるぜとか言って、キラーンと感動出来ちゃう訳で。面白い人!(いろんな意味で)
 んで、ほたるちゃんがさっきから何をやっていたかというと。
 
辰伶の技をパクってましたよ!
 いっちゃん初めにお兄ちゃんの技かよ! 一番長い事見てたからだろうし、まずはゆんゆんの動きを読むため。そして、動きに合わせて攻撃するため。
 闘いながら成長する。…いい。いいわほたるちゃん!
 驚く辰伶や庵樹里華、ゆんゆんをよそに、ほたるちゃん次は梵ちゃんのまねっこです。別に、打撃攻撃くらいそんなに驚く事じゃねえんじゃねえの? と、辰伶に対し思うのですが、ほたるちゃんにしたら珍しいのでしょうね。普通、刀の方が殺傷能力高い訳だし。
 「次いくよ!」の宣言通り、ほたるちゃんたらば、トラちゃんの型・アキラちゃんの型(型だけ。当たり前。右手分だけ。当たり前)・幸村さんの型・そして、狂ちゃんの型ー…と、ライバルお兄ちゃん辰伶をして「これぞまさに天賦の才ー!!」と思わせるほどの強さを見せ始めます。灯たんは錫杖振り回したりある意味梵ちゃんよりも良い腕っぷしなので、
駄目でしたか? 他はとても真似出来ないものね(元々後方支援戦闘型ですから吸気啌なんて使えませんから)。
 変わったのは型だけではありません。技の速さやキレもだそうです。
 そして。
 とうとうゆんゆんに、右足以外をー…右手を使わせましたよ!
 ほたるは更に、奥の手・血化粧っ! よっしゃー! いけいけー!
 ゆんゆんの知らない、ケイコクじゃない「
ほたるの力」を様々と見せつけ、雄叫びとともに辺り一面へ爆炎を撒き散らし、次号に続く!
 観客は無事か心配になりもする勢い…。





次号:出会い再び! …え? 何ですって?



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