封神演義

安能さん版も光栄版も読みましたが、どうにもやはり、フジリュー版です。
週刊少年ジャンプで連載されていた、藤崎竜先生の『封神演義』。
どう省略して紹介したものか・・・(苦笑)。

 中国の小説が基のお話。演義は、面白可笑しくしたもの、を指す。

 ことの起こりは紀元前の殷王朝(商王朝と云うんですが、ここでは殷)。第三十代王位に就いておられた紂王(ちゅうおう)様が、九尾狐狸精が体を乗っ取った蘇妲己(そ だっき)を娶ったが為に王朝崩壊への道を辿る。妲己の中に居るモノは、強力な仙人の力を持っていて、誘惑の術で紂王様の心を奪ってしまう。ダメダメに成り下がる紂王様。智慧と命の限り好き勝手に振る舞う蘇皇后。あわや、天命尽きるか、という処に『封神計画』というものが仙人界で始まろうとしていた。

 封神計画の実行者は、太公望なる男が引き受ける。彼は、幼少の時一族を殷に滅ぼされた過去を持つ。その後、仙人界・崑崙山教主の元始天尊にスカウトされ、仙人としての修業を積むことになったのだ。名称こそ、道士・太公望であるが、隠された力の程と途方もない頭の回転の早さは並の仙人に引けを取らない。

 お供の霊獣・四不像(スープーシャン)と人間界に降り立った太公望は、頭の良さ、もとい天才的なズルガシコサでまんまと妲己の懐に潜り込む。行きに、義妹(王貴人という玉石琵琶の精)を人質にして・・・。

 ところが、太公望は何も出来ないまま智慧比べのみで妲己に惨敗してしまい、ただ妲己を倒せば良いという考えを改めざるを得ない。それに封神計画とは、妲己の魂魄(こんぱく=タマシイ)を捕獲する為のものと説明されていたが、裏には別の真意が含まれていた。国民を支配している妲己を倒した後のケアもしなくてはならない。課題は山積みだった。

 腐敗した殷王朝を倒し、その後に民を治める賢王を求めて、太公望は西・西岐へと向かう。



 で、判るかしら(汗)。
 まあ、要するに、太公望が人間界のこととして賢王を立て、仙人界のこととして打倒妲己を掲げつつその厄介な手下どもを倒しながら殷の都を目指すんですけど。新たな仙人界とかいう計画の為に、365人分のタマスィーが必要だったりする訳で。365というのがまた曲者で、敵味方関係なく、位の高いor力ある魂なら人・仙道でもオッケイ。もう、バカスカ死人が出ます。そゆヒトたちの魂を封神台に送るのが『封神』。しかも太公望は『封神』される予定者リストなんてものを御丁寧に元始天尊から渡されてたり。

 敵味方に関わらず、これから死んでしまうだろう人を、知っているという事実。

 それでも、太公望は奔走します。人間界の平和の為ーー・・・仙道のいない人間界をつくる為に。


 話は後々、妲己ちゃんどこじゃなくなりますが・・・。



偏った院晶的キャラクタ紹介!!

太公望
たいこうぼう。羌族の生き残り。仙人修業をしていたが、居眠りばかりでやる気のない振りをしていたのでまだ道士。しかし力の程は計り知れない。武器は打神鞭という、風を操ることの出来る宝貝(パオペエ)。黒板指しっていうの? アレ? みたいな外見だが威力はある。最終的にあと三段階パワーアップする。霊獣・四不像に乗って移動。西岐もとい周では軍師の立場。

可愛い。トリッキィ。狡い。卑怯。憎めません。優しい。左利き。たまに容赦ない。意志が強い。アンマンと桃が大好物。甘党。睡眠薬入りゴマ団子に引っ掛かった。酔拳の使い手。指導者。策士。72歳から封神計画スタート。実は双子。嘘。四つ子(え??)。口調はじじい喋り。「〜だのう」「〜じゃ!」一人称は「わし」。


紂王
ちゅうおう。殷王朝第三十代目の王様。紂とは諡(おくりな:亡くなってから付けられた名前)である。本名は受とされる。本によっては寿。何かトコロによっては受豊とか謂うってマジ? 聡明な頭脳の持ち主だが、どうにも美女に弱くだらしない。それが災いして王朝崩壊を招くきっかけに。妲己に術を掛けられ、傀儡と化していたが、時には正気に戻ることもあった。ラストら辺は、出番ない内に改造手術を施され、見た目怪物にまで・・・! 手術完成後、殷王朝の青き血とやらで仙道と互角以上に渡り合った。幼少の頃、太師・聞仲に教わった武芸一般・・・とりわけ棒術が得意みたい。強い。

王様の特権、浮気者。妲己ラヴ。それは術が解けても。文武両道の賢君であった。昏君と書いてばかとのと読みます。チャイナ読みはフュンチュン。ピースをしながら話し掛けるおちゃめ(?)さん。出て来た妃は3人。子供は2人。口調は普通か、弱王様調。割とマトモ。居丈高ではない。そんなだったらビックリだ。一人称は「予」。途中から何故か「余」。何故何フジリュー?


蘇妲己
そだっき。殷の皇后様。千年以上生きた九尾狐狸精が中に入っている。体自体は、蘇候の娘のものだ。こちらは素朴な、普通の心優しい少女だが、術により体を乗っ取られた。仙女の九尾狐狸精は、夏王朝末期や殷王朝に数度に渡り現れてゴージャス三昧の生活を送っていた。出身は、もう一つの仙人界・金鰲島。主な武器はスーパー宝貝・傾世元禳。

紂王さまラブラブセブンティーン。義妹が2人。手下の妖怪が一杯。人間宝貝。本人曰く、太公望以上の策士。残忍。絶世の美貌を持つ。図工が得意。ゴージャス好き。衣裳持ち。元・金鰲三強のひとり。口調は「〜なの
」と、小さな「」とハートを常用。一人称は金鰲に居る時から「わらわ」。


聞仲
ぶんちゅう。殷の太師(=軍師)。16歳で殷の将軍になり、ほどなく(といっても1年以上はあると思われる)金鰲島教主・通天教主にスカウトされる。約10年後、殷の太師兼王の教育係になった。生まれてこの方300年以上も殷に関わり続けている。金鰲で修業を積み、三強のひとりに数えられる。しかし、殷と…人と生きることではぐれ仙人となった為、金鰲とは繋がりが弱い。武器は、スーパー宝貝・禁鞭。霊獣・黒麒麟に乗る。

光栄社版での読み方は、もんちゅう。アアン。質実剛健。剃刀のように切れる頭脳の持ち主。パワーは圧倒的。孤高の人。怒ったり、本気になると額の第三の目が開く。そうなると超激怖い。元は仙人骨のない人間。冷静。冷淡とも取れるが、優しい人。殷の父親的存在。信念てか執念? 深い。良い意味で。喋り方は普通。な方。一人称は「私」。


姫発
きはつ。周の王様。武王と呼ばれる。前王・姫昌の第二子。遊び人だったが、兄の伯邑考が亡くなった為、王位に就いた。兄弟があと98人もいる。

遊び人はっちゃん。女好き。声を掛ける時は「プリンちゃーん」。借金王。計り知れない器。ヒゲっ発ヴァージョン有。明るい。軽い。ガリガリベンベンと学ぶ。喋り方は普通。まあ若者系? 一人称は「俺」。初登場の「父上」呼びにはウケるよ、アンタ!


その他いっぱいたくさん。書き切れませんわよ。
フジリュー版封神で好きなのはこの人達ですが、因みに小説版では(特に安能さん版)紂王様と鄭倫さん(ちょっとテイの字が違いますが)と漢兄弟が好きです。あとね、天爵さん。漫画版とは違い、マイナ方面一直線! ああでも、喜媚も良いなあ〜。




2005/06/06改訂。


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