ドリーム小説

REPORT13:サイダ老博士





 たちがサイダ研究所を訪れた翌日、シュウハタ研究所では、ピノやサバラスたちが思い思いに遊んでいた。彼らはボール遊びをしつつ、研究所をあちこちへ移動する。廊下で遊ぶ楽しそうな彼らを、用務員のキネガワが微笑ましそうに見ていた。
 ララコットとビコスは女子トークをくり広げつつ研究所の庭でストレッチをしている。
 今の彼女らの話題は、次に入ってくる仲間について。オスかメスか、はたまた性別なしか。
 ララコットはデオキシスが有力だと思っていたが、デオキシスは他の人間にゲットされている身。難しいと思われるものの、はララコットに謎の微笑みを浮かべて言っていた。
 「モンスターボールが壊れた場合は、人間とポケモン、どうなるのかしらね?」
 ビコスは、それは姐さん壊す気ね、と言う。
 そんなポケモンたちの会話は想像するべくもなく、テラスからシュウハタ・ミキヒコは庭をながめている。考え事がまとまらず、舌打ちをした。
 テラスに備え付けられた木目の粗いテーブルには、コーヒーサーバーが置かれている。シュウハタはコーヒーをマグカップに注ぎ、一気飲みをした。
 彼は何かを決意し、研究所の中へ戻る。電話をするために。



 その頃、はシュウハタ研究所でシュウハタのエスパーポケモンに対する論文を読んでいた。最新のもので、原本だった。それを留めてあるクリップは、ミュウ。ミュウもエスパーポケモンだ。
 読み終わったは、簡単に感想をまとめて頭にクリップ。シュウハタを真似てミュウの形を思い描いた。
 続いて、ノートパソコンのスリープを解除させる。シュウハタ博士に頼み、ホウエン地方のポケモン図鑑を調べてもらっていた。欲しいポケモンを絞り込んでいく。
 一時間ほど考えていて、手持ちのオレンジジュースを消費してしまったは、キネガワを探しに貸し与えられている客室を出た。
 それとなく気配を探り、ピノたちの様子を一度確認することにする。ピノたちには、遊びながらシュウハタたちの様子を探ってもらっていた。建物の中も探索してもらっている。人間よりポケモンの方がいくらか警戒されないためだ。
 危険を感じたら客室に戻るように言い含めてある。
 マニニュにはジョギングに行くと出かけていったショウヤマのあとをつけてもらっていた。彼女にも、無理だと思ったらすぐシュウハタ研究所へ戻るように言ってある。
 ダイニングエリアに行くと、キネガワとシュウハタの母親が昼ご飯を作っていた。
 「あの、申し訳ないですが、オレンジジュースのお代わりをいただいてもよろしいですか?」
 「冷蔵庫に入ってますよ。いくらでもどうぞ」
 シュウハタの母が言った。
 「もう少しでお昼ご飯が出来ますよ」
 「ありがとうございます。夕飯作りは、ぜひお手伝いさせて下さい」
 が言うと、シュウハタの母は笑いながら手を振った。
 「あら、そんなのいいんですよ。お客様が来る時、おもてなしするのは当たり前」
 シュウハタの母とキネガワが朗らかに笑った。
 も微笑みつつ、冷蔵庫からオレンジジュースのビンを手に取る。そして尋ねた。
 「このあたりに、私のヒノアラシとヨーギラスはいませんでしたか?」
 「さっき、廊下でボール遊びをしていたよ」
 キネガワが答えた。
 「そうですか。様子を見てきますね」
 廊下に出ると、遠くからピノの声が聞こえた。は声のする方へ歩いていく。研究所の中核へと進むと、耳鳴りに似たものが発生する。
 ビコスのちょうおんぱが、微弱に使われていた。
 荒い足音が聞こえ、は廊下の角を曲がらず、その場に立ち止まる。
 そっと角から別の通路を見ると、シュウハタが早足に歩いていた。
 十数歩遅れて、忍び足のララコットがシュウハタのあとをつけているが見える。ここは彼女に任せることにした。
 は、ララコットたちに頼んでいたことがもう一つあった。
 もしも化石やいん石、水晶とおぼしき石・岩を見つけた場合は、すぐにに知らせること、と。
 シュウハタ研究所にそれらがあるかは不明だが、は可能性として考えていた。デオキシス誕生のモトが、ここかサイダ研究所にあるはずだと。



 サイダ研究所では、シゲルがコバラに化石復元に関する論文を借りていた。資料室の外では、ブラッキーとミサヲが楽しそうに遊んでいる。
 シゲルもブラッキーを放して研究所内を探索させるつもりだったが、ミサヲに捕まってしまい、今は普通に遊ばせているだけだ。
 コバラを資料室に引きつけておき、研究所内を調べる作戦は失敗している。
 しかし、研究論文は、シゲルの目を輝かせた。
 「すごいですね。このサイダ研究所だけで、三匹もの古代ポケモンを復活させているなんて」
 「そうよね。私はまだ助手になって日が浅いから、この目で古代ポケモンが甦るのを見たことがないの。でも、サイダ女史……今ここにいる、女性のサイダさんや、元々この研究所を起ち上げた、サイダ・スギ博士が頑張ったのよ」
 コバラの説明に、シゲルが疑問符をつける。
 「サイダ・スギ博士、ですか?」
 「そう、サイダ女史の…サイダ・ミズキさんってフルネームなのだけど…その、おじいさんよ。今は研究所を辞めて、ご隠居なさっているの。えっと、確か、ホウエン地方のリゾート施設にいるとか…」
 「ホウエンの!?」
 「そ、そうだけど、どうかした?」
 ホウエン地方の名前が出たところで、シゲルは驚いてしまった。サイダ女史は、祖父を通じて、ホウエンと繋がりがあったのだ。いや、まだサイダ研究所のスポンサーに申し出たのがホウエン地方の製薬会社というだけで、黒スーツたちの男とは繋がっていない。
 「あ、僕、ホウエン地方に行ったことがなくて…。今度行ってみたいな、と思っているんですよ」
 「そうなんだ? 私も、一度、他の地方のリゾート施設で癒されてみたいわ」
 話を他地方の噂に聞く観光地の話にもっていきつつ、シゲルはにこのことを知らせたくなっていた。
 時計の針が十二時を指す前、シゲルはブラッキーを連れて、サイダ研究所を出た。
 もしかしたら、これが最後かも知れない、と寄り道をしたくなって、化石発掘場を通る。短時間で化石など見つかるはずもないが…。
 カメックスも出して、切り立った崖の前で夢を語った。
 「やっぱりプテラを復活させることも、捨てがたいな。いや、復活はさせるつもりだけど、今すぐに取りかかれないのが残念だよ」
 眉を下げて話すシゲルに、ブラッキーが寄り添う。
 「カメックス、ブラッキー、ここにはね、きっとたくさんの夢とロマンがつまってる」
 ざらざらした薄黄色の地層に、手を当てた。カメックスもシゲルのまねをしてみる。
 「絶えてしまった命をこの世に復活させることが出来るなんて、ポケモン研究者はとても素敵で幸せな職業だよ。生きる環境に適さなかった、種を維持出来ない天敵がいたとか、きっと理由は様々あるだろうけれど、みんなきっと生きたかっただろうから…」
 「そうだな。だが、それは人のおごりにつながりかねない、とキミは気付いているかな?」
 後ろから声をかけられ、シゲルはふり返って警戒した。
 「どちらさまですか?」
 シゲルがいかくするブラッキーを手で制すると、カメックスは一歩前に出てシゲルを守ろうとした。
 シゲルに声をかけた白髪の老人は、アロハシャツを着ていた。サングラスを外し、答える。
 「わしは……サイダという」
 「サイダ?」
 まさか、と思ったシゲルは、老人の右手を見た。化石発掘の道具一式が入った透明のツールボックスを持っている。そして左手には、何かの化石とおぼしき薄茶色の物体が、バケツの中に入っていた。
 「あなたは、サイダ・スギ博士ですか?」
 「そうだ。よく知ってるな。孫娘のミズキとはもう会ったのかな?」
 「はい。僕はシゲルと言います。あの、ホウエンにいるはずの人がなぜここに…?」
 「ただの里帰りだ。久々に、この発掘場で作業をしたくなってね。夕方にはここを発つ。そうだ、キミ、この化石をもらってくれんかね?」
 「は?」
 突然の申し出に、シゲルは間の抜けた声を出した。
 「作業をしたはいいが、わしは引退した身。コレクションすることを考えたが、それではこの命に申し訳ない」
 思わずポケモンの化石かと考え、シゲルはバケツの中身をのぞきこむ。
 しかし、サイダ老博士が取り出したのは、木の実らしきものの化石だった。
 「これは、この島にしか生息していない植物の化石だ。学術的価値は高い。…ポケモン研究者には、直接関係ないかもしれん」
 確かに、ロマンは感じるが、シゲルの研究にはあまり関係がないように思われた。
 「いえ、僕には…」
 引き受けを断ろうとしたシゲルだったが、サイダ老博士は遮って言う。
 「だか、これが、古代ポケモンが好んだ食べ物だとしたら、どうする?」
 「!」
 シゲルは、はっとして息をのんだ。
 サイダ老博士は、その反応に満足し、微笑んだ。
 「わしの話をどこまで聞いているか知らんが、わしは孫娘の研究所運営方針とそりが合わなかったから、出て行った。年も年だし、引退を、と考えた。だが、いかんなあ、ここへ来ると、つい、古代の命に夢中になってしまう」
 化石をなでながら、サイダ老博士は優しい目をしていた。
 シゲルはこの老人に危険はない、と思い、疑問を口にする。
 「サイダ女史の運営方針とは、どんなものだったのですか?」
 シゲルの質問に、サイダ老博士は、溜め息をついた。
 「金」
 「金、ですか」
 「そうだ。とにかく報酬を求め、どんな研究も金に換えた。確かに、金は研究所の存続に必要だが、ポケモンの化石を一つ、内々に他の研究者に売ったのがどうにも気にくわなかった」
 「ポケモンの化石を売った!?」
 昨日会ったサイダ女史は、そんな人には見えなかった。
 「それを買ったショウヤマ研究施設が何者かに破壊された、と聞いて、今回の里帰りを決めたんだ」
 ショウヤマ博士が、ポケモンの化石を買った…。
 シゲルはそれがデオキシスの襲撃と何か関係があるだろうか、と頭をフル回転させる。
 「それは、何のポケモンですか!?」
 サイダ老博士は、眉間にシワを深く刻み、分からないと答えた。
 「ミズキはわしにそれを教えなかった。ミズキがここで発見したものだったようだが…」
 が戦ったという黒スーツの男たちは、その化石を欲しがったのだろうか。
 「博士、会って欲しい人がいるので、ここで少しの間待っててもらませんか? 今から、ここに連れてきます」
 シゲルはをサイダ老博士に会わせたかった。シュウハタやショウヤマ、サイダ女史には内緒で。



 シュウハタ研究所の庭でビコスを見つけたは、ちょうおんぱを使ったわけを知る。ショウヤマを見ていたはずのラニニュが戻っていた。
 ラニニュは、ショウヤマがサイダ研究所へ入ったことを告げた。
 「ふうん、ジョギングといっておきながら、サイダへ…。ありがとう、ラニニュ、お疲れ様」
 はラニニュをモンスターボールに戻した。
 ビコスのモンスターボールを手にした時、小さいが爆発音のようなものが聞こえた。
 「…サイダ研究所の方角ね。ビコス、上に飛んで、様子を見て」
 ビコスはすぐに飛び上がり、上空から黒い煙を確認した。
 「私とラニニュでサイダ研究所へ行ってくるわ。ビコスは、ピノたちに、客室の近くで待機するように伝えて」
 うなずいたビコスはシュウハタ研究所の中へ入っていった。
 は最速で走り、サイダ研究所を目指す。
 煙は研究の失敗の可能性もあるが、ショウヤマ研究施設のように、何者かに襲撃されたのではないかと考えた。
 かつては広範囲で人の気配を感じることが出来たが、この世界に来てからはあまり上手く機能していなかった。判別出来ても、狭い範囲に限られている。
 シゲルがまだサイダ研究所にいるかもしれない。
 そのことが気がかりで、は飛ぶが如く駆けた。
 森の中をサイダ研究所まで短距離で行けるように、道を選ばず行けば十分ほどでたどり着くだろうと計算。
 いつ敵が出てきても対処出来るように、ラニニュのモンスターボールをにぎりしめ、走った。



 シゲルとサイダ老博士も爆発音を聞いていた。
 「ミズキ…」
 サイダ老博士は孫娘の名前をつぶやいたが、動こうとしなかった。
 この化石発掘場はサイダ研究所から北東の方向にある。北へ行けばシュウハタ研究所にいるにこのことを知らせられるが、それよりも危険を承知でサイダ研究所へ行こうとシゲルは決めた。
 「爆発音なんて、ただことではありません。すぐにサイダ研究所に行きましょう!」
 「しかし…わしは…ミズキと大げんかをしていて…」
 たじろぐサイダ老博士に、シゲルは怒る。
 「そんなことを言っている場合ですか!? お孫さんにもしものことがあったら、どうするんです! 助けが必要かもしれません! 僕は行きます!」
 シゲルとポケモンたちはサイダ研究所へ走っていく。
 「ま、待ってくれ、わしも行く!」
 手荷物を放り出し、サイダ老博士もシゲルに続いた。



 先にサイダ研究所へ着いたのは、だった。サイダ研究所の裏手に出た。まだ建物の中央から黒煙が見えている。
 は息を切らせつつ、シゲルを追い抜いたことを感じ取った。ブラッキーと、他に誰か一人一緒なようだ。
 木に囲まれた研究所を素早く歩き、正面入り口へと向かった。歩きながら、は集中して気を読む。
 サイダ研究所周辺の生命体は…十二体。
 サイダとコバラ、他に研究者が一人の三人運営のはず。そこにショウヤマがいるとして、あとは…?
 よく気を探ると、シロガネ山で出会ったデオキシスがいると気づいた。
 はマニニュを出す。
 「マニニュ、デオキシスがいる。全力全開でいくよ!」
 「ニューラ!」
 「そうはさせませんよ!」
 は声のした方を指差し、ラニニュに命じた。
 「れいとうビーム!」
 「ゴローン、いわおとし!」
 現れた複数の岩にれいとうビームが当たって凍りつく。落ちた氷の岩影から、小男が顔を出した。
 ゴローンと一緒にいたのは、ライオ2だった。
 「女ァ! また会いましたね! 今度は邪魔をさせないですよー!」
 ライオ2は、節の狂った笑い声を上げる。
 「二対一ですからねー!」
 ゴローンの後ろから、マグカルゴを伴ってライオ3が現れた。
 問答無用では叫ぶ。
 「こうそくいどう!」
 こうそくいどうをしたマニニュのスピードが上がった。
 すぐにライオ2たちが手持ちのポケモンに命令を出す。
 「ゴローン、いわおとしをするです!」
 「マグカルゴ、ひのこ!」
 「こおりのつぶて!」
 の素早い攻撃指示により、ゴローンの岩はまた凍りつき地面に落下する。しかし、ひのこは相殺しきれず、ラニニュの足元に命中した。
 「ニュー…」
 怯んだマニニュだったが、は彼女の背中に手を当てて命ずる。
 「大丈夫、ゴローンにれいとうビーム」
 の温かい手に押され、マニニュは奮起した。
 「ニューラ!」
 マニニュ渾身の一撃で、ゴローンは大ダメージを負い、倒れる。ゴローンの半身は氷漬けとなった。
 「ゴローン、ボールへ戻れ!」
 ライオ2は、ゴローンをモンスターボールへ戻した。続いて、二つ目のボールを投げる。
 「オニドリル、出てくるですッ!」
 「れいとうビーム!」
 「マグカルゴ、かえんほうしゃ!」
 オニドリルが出た直後に、ラニニュのれいとうビームが命中するかと思われたが、直前でマグカルゴが間に入った。かえんほうしゃで相殺されたれいとうビームは、水蒸気となって消える。
 オニドリルには勝るラニニュだが、マグカルゴ相手では相性が悪い。
 「マグカルゴにメタルクロー!」
 ラニニュは爪を硬化させ、直接攻撃に移る。マグカルゴにダメージを与えたものの、一撃で倒すまでには至らなかった。
 「マグカルゴ、かえんほうしゃだ!」
 「オニドリル、ドリルくちばしをお見舞いするですよ!」
 一度に攻撃を仕掛けられたラニニュは、の「かわして!」の声の間に、一旦上へ飛んだ。しかし、下から上へ方向を変えたかえんほうしゃで大ダメージを受けた。すぐにドリルくちばしの餌食になる。
 「ニュアァアァッ!」
 はラニニュの悲鳴を聞き、くちびるをかんだ。ラニニュにかけ寄り、ボールに戻す。
 「ごめんね、お疲れ様」
 の手持ちはラニニュだけ。今はの負けだった。
 「女ァ、これでお終いです! 降参するです!」
 勝ち誇りながら言うライオ2に、は低い声で言う。
 「降参なんかしないわよ。私が戦えばよいだけのこと」
 は右足を半歩引いて、少し重心を落とす。そのまま敵をにらみつけた。
 「バカですか!? ポケモンと生身の人間が戦うなんて、ありえないです!」
 「ポケモンはともかく、あんたたちくらいは倒せるわ」
 が平然と言い放つと、ライオ2もライオ3も、かんに障ったようで、猛然と対抗してきた。
 「それもありえないですー! オニドリル、女に、ドリルくちばし!」
 「マグカルゴ、女の足元に、かえんほうしゃだ」
 迫り来る攻撃を見て半眼になったは、呼吸を止めていったん後方に飛びかけた。それより後ろから黒い球体と放射水がを追い越す。
 黒い球体はシャドーボールで、オニドリルに当たった。放射水はハイドロポンプで、かえんほうしゃを相殺した。
 「そのひとに手を出すなっ!!」
 木々の間から飛び出してきたのは、シゲルだった。カメックス、ブラッキーもいる。少し遅れて、走って汗だくのサイダ老博士も追いついた。
 「僕が相手をする!」
 シゲルはの前に立った。
 「さん、ケガはないですか?」
 「ないわ。…助かったわ」
 微笑むに、シゲルも微笑み頷く。すぐに前を向き、ポケモンに指示を出す。
 「カメックス、マグカルゴにハイドロポンプ! ブラッキー、オニドリルにでんこうせっか!」
 カメックスから轟音響く勢いのハイドロポンプが放射され、ブラッキーは高速でオニドリル目がけて突っ込んでいった。
 「オニドリル! ドリルくちばしで迎え撃つです!」
 「マグカルゴ、いわなだれ!」
 カメックスのハイドロポンプは、放射されてから角度を変え、地上のギリギリを突き進み、岩が落ちきるより早くマグカルゴに届いた。シゲルのカメックスは背中からハイドロポンプを噴出するが、敵の攻撃を見ながら放出先をコントロール出来る器用さがあった。
 ブラッキーはオニドリルの胴体へ見事ヒットし、ドリルくちばしは不発に終わる。華麗に着地を決め、次の攻撃指示を待った。
 「くっ!」
 ライオ2が悔しそうにうめいた。
 「僕が来たからには、好きにはさせない!」
 シゲルとポケモンたちは、毅然と敵をにらみつける。
 これは子供だからとあなどれない、と、ライオ3は思った。









**久々更新なので少しでもときめける展開を、と考えてみました。
 シゲルが助けてくれる描写を、もっと劇的に描きたいものです…。助けて貰うのは、また今度…いつか再チャレンジ出来たらいいな…とちょっと思います。
 
 視点が色々変わり、分かりづらかったらすみません…。
 今月、数本夢小説書いてみたのですが、今までどうやって自分が書いていたかド忘れしてて、「か、書き方から分からないッ!?」と困ったりしました(苦笑)。
 これからも、ゆったり更新ですが、よろしければ続きもチェックしてやって下さいませ。

*2014/06/30up

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